表千家茶道

茶事覚書

はじめに

2000年11月22日  雅杜の会の主 記

 

お茶を教え始めて45年は経過していると思われる私の母と一緒に、母の自宅でお稽古茶事を始めてから、かれこれ17年経ちました。

私の実家である母の家は、都会の片隅の小さな小さな家で、「こんなところでもお茶ができる」と言う見本のようなような粗末な家です。庭と言えるような庭も無く、本当に何の風情も無い所で、何も立派なお道具も無く、ない無い尽くしの状態なのですが、それでも我が家のお茶事を毎月楽しみにしてくださる方々が沢山いてくださり、ありがたいことと感謝しています。    そんな皆様に支えられて、お稽古茶事を細々と続けて参りました。   

母と、私と、娘と、そして母や私の生徒がスタッフとして加わり、本懐石とはいえ私達の作る素人料理で、でも心を込めておもてなししてきたのが、お喜びいただけたのでしょうか。

 

毎月1〜2回。多いときで4回〜5回。いらしてくださる方がいらっしゃれば開いて、、、、、、数えてみると400回近くもお茶事をしてきたことになります。「継続は力なり」とはいいますが、力が付いたかどうかは分かりませんが、私どもの日常の中に、お茶事がごく自然に存在していることだけは確かです。

 

「お茶のお稽古は長く続けてきているけれど、お茶事は年に1度ぐらいしかするチャンスがない」とか「大寄せのお茶会には良く行きますが、お茶事はほとんど経験ありません」 と言う声をよく耳にします。そんなにも目にふれることの少ないお茶事ならば、HP上でその一端をご披露することも意味があるのではないかと思い、このページは「お気楽猫かぶりの会の主」ではない、マジメなCHAJINとして、毎月のお稽古茶事のことを日記のように書いてみようかと思います。

でも、マジメに書こうとは思っておりますが、根がいいかげんなあっぱらぱ〜人間ですので、ついつい地が出てしまいます。(猫をかぶりきれずにおります)その点はどうぞお許しいただきまして、お気楽にやっております 茶事教室の様子をご覧下さいませ。

 

では、先ずその前に、我が家のお茶事のやり方をご説明しましょう。八畳間でしますので、たいていお客様は8人〜12人。そのお客様を二組に分けます。それぞれの組に正客〜お詰めまでいるわけです。つまり、懐石の部分では飯器も湯桶もすべて二つづつ出します。八寸の千鳥の杯も二組でします。

そして、各組の正客〜お詰めまでの席次を「くじ引き」で決めます。なぜそのようなことにしたかといいますと、2組に分ければより実際の勉強になることと、とかく年配者が正客を務め若い人はいつも末客になり、若い人には実地の勉強をするチャンスが少ないからです。たとえ若くてもお勉強のチャンスは公平に与えられるべきです。でも何かの事情で軽いお席を希望される方には、3客あたりに座っていただいています。また、正客が二人いても、全体の正客は1組の人がします。

「亭主」「半東」も、お勉強をしたいと言う希望の方ががいらっしゃれば、その方にしていただいています。でもほとんどは、私の生徒か娘がさせていただくことが多いです。

 それでは、我が家の拙い茶事の一部をご披露します。もしご興味のおありの方は、どうぞお読みください。