初釜

2002年1月12日(土)

12時席入り    客:14名

東・半東   雅杜  がとこ  海月

 

今年初めての稽古茶事は、私の小さな教室にお稽古にきてくださっている人たちの、お稽古始めをかねての初釜。

まだお稽古に来始めたばかりの人も、初めてお茶事に出るという人も何人か参加し、古い人たちに混じっての茶事初体験。お正客には、毎年母の友人のM夫人をお願いしている。

 

本来は私が「お迎えつけ」をしなくてはならないけれど、初心者の人が多いので娘がとこに迎え付けをまかし、私は説明役に。  初めて蹲を使う人も多かったけれど、前もっての予行演習?の成果か、何とか露地、席入りを終了。  お軸は「春入千林処々鶯」。 棚は今年は紹鴎棚を。

 

初炭は私がして、続いて7人づつの二組に分けての懐石。1組は娘がとこが、2組は社中のHN海月さんがあたる。初心者が多いので私は説明役に。海月さんは初めての亭主役ながら、日頃の勉強熱心の甲斐あってか、何とかかんとか、無事に進行。お客として何度か茶事を経験してはいても、東・半東として裏の事をするとなると、全く勝手が違ってくる。何事も回数。経験。  初めての亭主の勉強は、とても良い経験・勉強になったことでしょう。

    

 

 

後座になって濃茶は娘がとこが私に代わって練る。ここも本来なら私がせねばならぬ所を、今日は濃茶の飲みも方まだ分からない人が多く参加したので、私は終始説明役に。 茶入れは朝日焼き。銘は「末広」。茶碗は金銀の重ね。茶杓は西山松之助先生の作で銘は「長者」。 

 

続いて後炭を娘がとこが。 暮れに道具屋さんで可愛い猫の香合をゲット!これを初使い。 実はこの香合、道具屋さんのパンフレットに載っていたそうで、それを見た娘がとこは、祖母と(私の母)「こんなふざけた香合、いったいどんな人が買うんだろう!!」話していたそうな、、、そこへ私が意気揚揚とその猫の香合を紙袋から出したものだから、娘はあきれるやら、情けながるやら、、、、、、でもね、とっても可愛いんですぅ! 私が買わねば誰が買う! まるで「うちへ来たい来たい」と言っているように見えたんですもの、、、、、  どんな香合かご覧になりたい方は、ここをクリックしてくださ〜〜〜い。きっと私の気持ち、わかってくださると思いますぅぅ、、、

 

人気者の猫の香合拝見のあと、薄茶に。  点前は社中のN子さんが。N子さんはいつも沈着冷静で、お茶会でも淡々と間違えることなく(それが当たり前だけど、、、)素直な点前をしている。紹鴎棚での点前も、さらりと落ち着いて。  茶器は松竹梅の棗、近左作。茶碗は永楽の「日の出鶴」。茶杓は「都の春」の写し。蓋置は干支の馬、川辺正造作。

 

茶事に慣れない人が多かった割には、ふた時(4時間)を少し超過しただけで、今年の稽古始の初釜は無事終了。今年は福引をしないで、皆さんにお扇子を差し上げる。男性には干支、女性には勅題の「春」の柄のお扇子。

 

 

今月はまだこのあと3回初釜をしますが、それはお招きの茶事ですので、ここには書かずにおきます。でもごく親しい方を招いてのちょっとお遊びの茶事の時など、またここでご報告したく思っております。来月は正午と、暁のお稽古の予定です。

 

 

 

 

「後礼」

茶事の前後には、「前礼」「後礼」と言われるご挨拶をするものとされています。 「前礼」は、本来は茶事の前にお伺いして、当日お伺いする旨を述べるものですが、この頃では手紙か電話などで前もってのお礼をするようです。  そして茶事が終った後も「後礼」といって、同様の事をします。  要は、どんな風に楽しかったかと言う感想を、主催者に伝えてあげれば良いんですよね。

お茶事の前の日は、それこそ「ご馳走」の準備に、買い物などで西に東に走り回っていたり、料理の下準備で忙しくしていることが多いので、前々日までに「前礼」をしてくださるほうが、準備をしている者としてはありがたいです。

 

この日も皆さんからお手紙やお電話、メールなどで後礼を頂きました。中にはわざわざ来てくださった方もいます。  

初めて「茶事」なる物を体験した若い人達が、どんな感想をもたれるかは、ちょっと心配でもありましたが、おっしゃること、書いてあることを素直に取らして頂けば、皆さん、とっても楽しくて興味深いものだったようです。「懐石料理も初めて食べたけど美味しかった」とおっしゃってくださいました。 また、「もっとお茶事を習いたい」と言う声が、新しい人からも古い人からもたくさん聞こえたことがとても嬉しかったです。

 

うちでは毎月稽古茶事をしていますが、生徒さんに決して強制するようなことはしていませんので、熱心に稽古なさる方とそうで無い方といます。 せっかく恵まれた環境にいるのに、茶事に参加なさらないのはもったいないと思うのですが、それぞれの考えもあろうかと、思っていました。  でも期が熟したとでも言うのでしょうか、茶事に対しての興味が前よりも大きくなったようで、「茶事の勉強をしたい!」と言う声がたくさん有り、嬉しいことと思います。

 

これからも今までどおり、気楽に参加できる、カタっ苦しいことを言わぬシステムで、お茶事教室を続けていきたいと思っています。 こんな本当に何の風情もないところですが、もしよろしければお遊びにお出かけくださいませ。